聴覚情報処理障害(ちょうかくじょうほうしょりしょうがい、英: Auditory Processing disorder, APD)とは、聴力は充分にあって可聴音は聞こえているものの、脳に機能障害が存在するために、特定の条件での聞こえにくさを呈したり、聞こえた音の解釈に問題が生じる状態。「Central Auditory Processing Disorder」と同義。
聴覚情報処理障害を持った患者は、聴力は正常であり音声は聞こえている、または、仮に軽度の難聴が存在していても充分に音声は聞こえているはずの聴力を持っているのにもかかわらず、脳の機能障害のために、単に聞こえているだけで、音声を情報として認識するのが困難であるという障害が起こっている。伝音難聴や内耳性難聴とは異なり、基本的に聴覚情報処理障害の患者は、蝸牛までの音の伝達に問題を抱えていない。また、聴力閾値の低下がないため、通常の純音聴力検査では発見されない。なお、聴覚情報処理障害が存在したとしても、他に目立った脳の機能障害が見当たらない症例もあれば、何らかの脳の機能障害を合併している症例も存在すると見られている。ただし、聴覚情報処理障害の場合は、注意欠如・多動性障害の患者のように、注意力に問題があって音声の意味を解せない(早とちりする)のではなく、あくまで脳において音声情報の処理に問題を抱えているために、注意力などは充分であっても上手く音声を解釈できないといったことが起こる。つまり、本人が真剣に言葉を聴き取ろうとしても、単に音声が聞こえている ...
ウィキペディアでもっと読む