イチイ(一位、櫟、学名:Taxus cuspidata)は、イチイ科イチイ属の植物。またはイチイ属の植物の総称。常緑針葉樹。別名はアララギ。長野県松本地方ではミネゾと呼ばれている。北海道や北東北の方言ではオンコと呼ばれ、アイヌからはクネニと呼ばれた。英語ではJapanese Yewと呼ばれ、同属のヨーロッパイチイ T. baccataは単にYewあるいはEuropean Yewと呼ばれる。
属の学名 Taxusはヨーロッパイチイのギリシャ語名で弓を意味する taxosから、種小名 cuspidataは「急に尖った」の意味。
本州、北海道、樺太、九州、四国、千島列島、中国東北部、朝鮮半島、ロシア沿海地方に分布。北海道では標高の低い地域にも自然分布するが、四国や九州では山岳地帯に分布する。庭木としては、沖縄県を除いた日本全国で一般的に見られる。
雌雄異株(稀に雌雄同株)で、高さ20メートルほどの高木になるが成長は遅い。樹型は円錐形になる。幹の直径は50 - 100センチメートルほどになり、樹皮には縦に割れ目が走る。
葉は濃緑色で、線形をし、先端は尖っているが柔らかく触ってもそれほど痛くない。枝に2列に並び、先端では螺旋状につく。 ...