ナワシログミ(苗代茱萸、学名:Elaeagnus pungens)とはグミ科グミ属の常緑低木。別名タワラグミ、トキワグミ。
盆栽としてはカングミの名で呼ばれることが多い。
日本の本州中南部、四国、九州、中国中南部に分布する。海岸に多いが、内陸にも顔を出す。
常緑低木で、茎は立ち上がるが、先端の枝は垂れ下がり、他の木にひっかかってつる植物めいた姿になる。楕円形の葉は厚くて硬い。新しい葉の表面には一面に星状毛が生えているため、白っぽい艶消しに見えるが、成熟するとこれが無くなり、ツヤツヤした深緑になる。
公園木、海岸の砂防用、庭木として植栽されている。
果実(正確には偽果)は春に赤っぽく熟し食べられる。ナワシログミの名は、稲の苗代(4~5月頃)を作る頃に果実が熟することから。
葉にはウルソ酸(ursolic acid)オレアノリン酸(oleanolic acid)、クマタケニン(kumatakenin)、ルペオール(lupeol)、β-シトステロール(β-Sitosterol)、3,7-ジメチルカエンフェロール(3,7-Dimethyl kaempferol)などの成分が含まれる。中国では生薬として「胡頽子」(こたいし)の名で『本草綱目』、『本草経集註』な ...